チームの新人いびり!?「レオーネ・アバッキオ」の魅力『ジョジョの奇妙な冒険』

『ジョジョの奇妙な冒険シリーズ』第5部黄金の風において、ギャング組織『パッショーネ』に所属する「ブチャラティ」の部下の1人。188センチと、ブチャラティチームの中で最も背が高く、頭に卵の殻(?)のようなものを被っていますが全くの謎。いつも唇が濃い色で塗られており、女性のように醸し出される雰囲気がセクシーです。今回はそんな「レオーネ・アバッキオ」の魅力についてご紹介いたします。
正義感の塊
もしかしたら、ブチャラティチームの中でもっとも正義感の強いのは「アバッキオ」かもしれません。かつて警察官を志し、若き日の「アバッキオ」は、この世の悪を取り締まろうと思っていました。いつものあのふてぶてしい態度は、同僚を殉職されてしまったという十字架を背負い、「この世から悪が取り除けない、何をしたってダメなんだ」と絶望していたからなのかもしれません。
アバ茶
「アバッキオ」と言えばジョジョラーの間ではお馴染みの“アバ茶”です。「ジョルノ」加入時に、新人を試してやろうと自分の小便をティーポットに入れ、それを「ジョルノ」のティーカップに注ぎ、「俺の入れた茶が飲めないのか?」とすごむ「アバッキオ」・・・嫌な先輩です(笑)。機転を利かせた「ジョルノ」にいっぱい食わせられてしまいますが、そこでなんとなく「ジョルノ」を認めた節があります。
スタンド
ムーディブルースは数あるスタンドの中でもかなり・・・弱い方。それでもブチャラティチームにいるというのは、やはり過去を遡ることが出来るというその特殊な能力を買われての事でしょう。ボスや他の敵と遭遇するような時に重要なヒントを得られますから。
真実に向かおうとする意思
シリーズを通して、数ある名台詞、泣けるシーンがたくさんありますが、5部の中ではこのシーンがその最たるものではないでしょうか。かつての同僚の警官を自分のせいで死なせてしまった過去。その過去の同僚が語りかけてくる「大切なものは何か」。“ドス黒い悪に立ち向かうために必要なものは黄金の意思だ”という事を、作者からアバッキオを通して我々読者は学ぶのです。忙しい毎日の中で我々がついつい忘れがちなこと。涙無しには見る事の出来ない場面です。
ブチャラティチームにおいて、かえって足手まといになるのでは?などと思ってしまいがちな「レオーネ・アバッキオ」ですが、きちんと自分の役目を果たしてくれました。アバッキオの想いは、きっと「ジョルノ」と「ミスタ」が受け継いでくれたはずです。
(C)荒木飛呂彦 LUCKYLAND COMMUNICATIONS/集英社