【あの花】キャラ紹介「宿海仁太(じんたんは引き篭もりです)」

主人公は、引き篭もり少年です。
宿海仁太(やどみ じんた)、あだ名は「じんたん」。
子供の頃は呼びやすく、かつオリジナルティに溢れた(大人っぽい?)名前に憧れたのか、超平和バスターズ全員があだ名で呼び合っていますが、じんたんは名前に可愛らしさを入れた感と、中年的には仁丹を彷彿とさせます。この時代の小学生が好んで仁丹をあだ名にしたいとは思わないので、もっと違う意図があるかもしれません。
めんまに心にもないことを言ってしまった(釈明できないまま)、めんまは死んでしまった、母親も死に、高校受験(進学校)に失敗して三流高校に入学したけれど一週間で引き篭もる……理由がありすぎます。もちろん乗り越えられないわけではないのでしょうが、田舎の高校受験で失敗するのは直近で苦痛です。ご近所の噂にもなります。閉鎖的環境では、才能のある人物の失敗は破滅に近いものがあります。逃げ場や怒りの持って行き先がないからです。
そして、オープニングはゲーム三昧の暑い夏に、めんまに絡まれている姿。これは夏の幻想だ、と言い聞かせますが、諦めムードが漂っているのが、現実逃避をまだ続けているという彼の弱さを見せています。最初はとにかくヘタレ人間。
また、引き篭もりの上、父子家庭というせいもあるのか(お父さんはしっかり者で仁太を信頼して仕事に励んでいる様子)、栄養も偏っています。袋ラーメンを作っては食べ、お菓子を食べ……めんまに注意されますがお構いなしです。めんまも幽霊なのにラーメンやお菓子を食べているシーンがあります。二人でいるシーンが最初は長いせいもありますが、めんまが幽霊だということを視聴者は忘れかけてしまいそうです。それが狙いかもしれませんが、執拗に仁太がめんまの存在を追及するので「何か事情があって、それがこの物語の核だな」と見え見えです。
めんまは「願いを叶えて欲しいの~」と言いますが、本人も何の願いか分かっていないので押し問答は続きます。そして仁太も、すっかりしおれてしまった性格なのでなかなか行動に移せずにしばらく時が流れます。というか、怠惰です。
いつも「西へ東へ」「地底人」など、面白いTシャツを着ています。
これがかつてはガキ大将(中心人物)として超平和バスターズを率いていた少年かと考えさせられますが、状況で人は変わっていく。子どもから大人への段階は特に。それを、等身大の、一番身近な例えで教えてくれる主人公です。
恋愛失敗・受験失敗・引き篭もって……さあ、どうでるかが楽しみです。

さあ、引き篭もりでヘタレ君はどう動くのか?!というのは、他のキャラと関わっていくうちに元のリーダーシップを取り始めるというお約束展開なので割愛しますが、とにかく思いついたことを実行していくのですから、まだ実行力があるじゃないか、とツッコミたくなります。
久しぶりに登校してアナルが援助交際の疑いで噂の的になっていると、身をはって庇い、バイト先でも同様に自分が笑われることでアナルを庇う。とっても男らしいと思います。度胸がなければできない。もちろん、誘導役はめんまですが、きっかけにすぎなかったのかもしれません。
幽霊のめんまでも一緒にいるのが自然になり、成仏させたくないとエゴを丸出しにしてもそれはとても若者らしいし、最後には元の仲間達のリーダーとして復帰し、学校にも通う姿が見られます。
作中でめんまにもぽっぽにも「じんたんはカッコイイんですよ」と言われる、まさにその通りです。そして、自分の素質は取り戻すことができる、ということを教えてくれた主人公です。
めんまのことも本当に好きだったからこそ、きっと、過去にして、新しい恋をしっかりとできるタイプですね。それは薄情ではなく、未来を見る勇気だと感じます。
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