2:マミ「…こ、ここは…?」ゆり「…ようこそ死んでたまるか戦線へ」

ゆり「ちょっとあんたたち、巴さんに質問し過ぎ、困ってるじゃない」
日向「別に困ってないだろ」
ガヤガヤ
マミ「あははは…」
マミ「……」
マミ(…結局、私はこの人たちに魔法少女ということを明かし、共に戦っていくことにしたけれど)
マミ(この先にあるのは一体何なのかしら…)
マミ(…この時の私はまだこの世界が何なのかもイマイチ理解できていなかった…)
58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:25:21 ID:co2jGLaI
同時刻
~学習棟A棟前~
………
??「…こ、ここは…?」
??「あれ、あたし確か…駅に…」
??「何だろう…この制服…それに、ここは一体…」
59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:26:34 ID:co2jGLaI
数日後
~対天使用作戦本部~
ガヤガヤ
ゆり「…巴さん、ちょっといいかしら?」
マミ「え?あ、うん」
______
~教員棟 3階 空き部屋~
ゆり「…そこに座って」
マミ「う、うん…」
60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:27:55 ID:co2jGLaI
ゆり「…あなたの生前の過去にまで立ち入る気はないけど」
ゆり「私たちはあなたのような人を見るのは初めてなの」
マミ「……」
ゆり「だから私にだけでも、『魔法少女』ってのについて詳しく教えてほしいの」
ゆり「もちろん、あなたの死因や話したくないことは無理に話さなくていいわ」
ゆり「でも、あなたは今の戦線にとって重要な存在なの、それだけはわかってほしい…」
マミ「……」
マミ「わかったわ…」
61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:30:14 ID:co2jGLaI
マミ「…私が魔法少女になったのは交通事故で家族を亡くして、私の命もそこで契約していなかったら死んでいたの」
マミ「私は…『命を繋ぐ』契約で魔法少女になったの…」
ゆり「…契約…って?どういうことかしら」
ゆり「あなたは魔法少女になりたくてなったんじゃないの?」
マミ「誰も…好き好んで魔法少女になる子なんていないわ…」
マミ「私たちは自分の祈りを叶える代償として魔法少女となり、魔女と戦う運命を背負うの…」
ゆり「……なるほどね」
ゆり「そうして巴さんは魔女と戦ってたわけか」
マミ「ええ…」
ゆり「そして、その…魔女に負けたの…・?」
マミ「…そういうことね」
マミ「私には後輩がいたの…」
マミ「同じ中学の後輩でね、その子たちも魔法少女に選ばれた子だったんだけど」
マミ「願い事が決まらずに躊躇ってたみたい」
マミ「…今ごろどうしてるのかな…」
62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:32:16 ID:co2jGLaI
ゆり「……」
マミ「…ゆりさん、あのね…私はね…」
マミ「家族が事故で死んじゃって、それから魔法少女をやるようになって」
マミ「普通の友達とも遊んだりする時間無くなっちゃって」
マミ「魔法少女の子も他にもいたんだけど、私みたいな子って少なくて」
マミ「魔法少女の友達もできなかったの…」
ゆり「……」
マミ「だから、今のこの戦線のみんなが羨ましいの…」
マミ「…あんな風に私も仲良くなれらなって思うの…」
ゆり「それなら心配いらないわ」
マミ「…え?」
63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:34:04 ID:co2jGLaI
ゆり「…ここにいる連中はみんな巴さんのような過去を持った奴ばかりなの」
ゆり「夢半ばにして、両親の喧嘩のとばっちりをうけて死んだ子や」
ゆり「全力でしてた部活を自分のせいで失敗して、自分を責めながらそのまま事故で死んだ奴とか」
ゆり「生まれつきの全身麻痺で、やりたいことが何ひとつ出来ずに死んだ子とか」
ゆり「ここにいるみんなは、理不尽な人生を送って、そんな人生を強いた神に抗おうという連中ばかりなのよ」
ゆり「だからあなたも、すぐに仲良くなれるはずよ」
マミ「…うん、ありがと、ゆりさん」
64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:34:54 ID:co2jGLaI
ゆり「あ、でも、あなた男子苦手でしょ?」
マミ「へ…?」
マミ「あ…う、うん…ばれてた…?」
ゆり「もちろん、だって男子と話す時、明らかに顔違うし、なんか違和感だらけだったし」
ゆり「男子と仲良くするのは無理かもね」
マミ「えぇ!?」
ゆり「んふっ、冗談よ、冗談、まっ慣れるまでは戦線の女の子やガルデモと仲良くなりなさいよ」
ゆり「みんないい子ばっかりだから」
マミ「…うん」
65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:36:28 ID:co2jGLaI
ゆり「それと、こないだの戦闘の時に天使が言っていたけど」
ゆり「『あなたのような人を見るのは初めてじゃない』って、これって…」
マミ「…ええ、おそらく今までに私と同じような魔法少女に遭遇したことがあるってことでしょうね…」
ゆり「…となると状況は最悪ね」
マミ「え?」
ゆり「あなたのような特殊な能力を持った人間と天使が既に遭遇しているなら」
ゆり「天使は魔法少女に対する能力も有しているということになるわ…」
マミ「…確かに、そうかもしれないわ…」
66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:38:06 ID:co2jGLaI
ゆり「……」
ゆり(イレギュラー過ぎるほど、すごい能力を持った子が現れてくれたのに、天使がそれを既に知っていたなんて…!)
ゆり(もっとイレギュラーだわ、イレギュラー過ぎよ…でも、それならこの間の戦闘だって納得がいく)
ゆり(いくら天使とはいってもあんなのを見せられたら少しは驚くはず…でも動じてすらいなかった)
ゆり(それに巴さんの能力に対応しきっていたところを見ると…やはり過去に魔法少女と会っていたと考えるのが妥当か…)
ゆり「巴さん」
マミ「?」
67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:40:04 ID:co2jGLaI
ゆり「魔法少女の能力ってみんな同じなのかしら」
マミ「契約によって発現する魔法はみんなそれぞれ違うわ」
マミ「私の場合は『命を繋ぐ』契約で魔法少女になったから、リボンによる拘束魔法が得意だけど」
マミ「契約者の願い事によってそれは大きく変わってくるわ」
ゆり「…つまり、みんなそれぞれ違うのが、基本ってことかしら」
マミ「ええ、そうなるわね」
ゆり「…じゃあ、仮に天使が過去に魔法少女に遭遇していたとしても、その魔法少女は巴さんと違う能力ってことかしら」
マミ「100%じゃないでしょうけど、ほぼ、そうなるわね」
68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:40:59 ID:co2jGLaI
ゆり「…なるほどね」
ゆり「それじゃ、行くわよ、巴さん!」
マミ「えっ、ど、どこに…?」
ゆり「私たちだけじゃ埒があかないから、直接聞きにいくのよ」
マミ「だ、誰に…?」
ゆり「何言ってるの、決まってるじゃない」
ゆり「…天使によ」
69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:43:19 ID:co2jGLaI
学習棟A棟 廊下
スタスタ…
マミ「え、ええっ、ちょっと天使に会うって!?大丈夫なの?」
ゆり「大丈夫よ、生徒会長に会って話を聞くだけなんだし」
マミ「そ、そうだけど…」
ゆり「そう言えば一つ気になったんだけど」
マミ「?」
ゆり「その…『契約』ってやつで魔法少女として魔女と命がけで戦うのはわかるんだけど」
ゆり「それ以外に大変なことってないの?魔女に負けさえしなければ魔法は使い放題なの?」
ゆり「もしそうなら、魔法少女になりたいって子がいてもおかしくないと思うんだけど…」
マミ「いいところに気付くわね、ゆりさん」
70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:44:32 ID:co2jGLaI
マミ「いいところに気付くわね、ゆりさん」
マミ「確かに、自分の願いを叶えて魔法少女になって、魔法が使いたい放題なら」
マミ「魔女にさえ気をつけてれば、とても都合のいい話だわ」
ゆり「ええ、そうでしょうね」
マミ「でも、魔法を使うためには、魔女を倒さなくてはならないの」
スッ…
マミ「これを見て」
ゆり「これは…!」
マミ「これは『ソウルジェム』と言って魔法少女の証であり、魔力の源なの」
ゆり「ソウル…ジェム…」
マミ「今はこんな風にして透き通って綺麗だけど、魔力を使えば使うほど、穢れを溜め込んで、色が濁っていくわ」
マミ「そして魔女を倒すとたまに、魔女が『グリーフシード』というものを落とすわ」
マミ「それを使って穢れを浄化して魔力を回復させるの」
72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:48:49 ID:co2jGLaI
ゆり「な、なんだか、とても複雑ね…」
ゆり「つまり魔力は使い放題ってわけじゃなくて、使った分はちゃんと回復させないとダメってことかしら」
マミ「うん、そういうことね」
ゆり「ん?ちょっと待って、それならあなたは大丈夫なの!?」
ゆり「この間の戦闘であんなに魔力を使ったけど…!?」
マミ「…うん、それを私も心配してたんだけど、この世界に魔女はいないみたいなの」
ゆり「おそらくそうでしょうね、私もこの世界で魔女みたいな存在は今まで見たことないわ」
ゆり「まあ生きてたときも見たことないけど…」
マミ「一度変身したときに思ったの、ソウルジェムが全く濁ってなかったから…」
マミ「まだ、はっきりわからないけど、もしかしたらこの世界では魔法は使い放題なんじゃないかって」
ゆり「……なるほどね、この世界では魔法少女にそんなメリットが発生するってわけ…」
マミ「まだ決まったわけじゃないけどね」
ゆり「……」
ゆり「…着いたわ、ここよ」
73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:51:02 ID:co2jGLaI
~学習棟A棟 教室~
…ガラララ
ゆり「休み時間か、ちょうど良かったわ」
スタスタ…
ゆり「生徒会長さん、ちょっといいかしら」
天使「…何かしら、もうすぐ授業が始まるのだけど…」
ゆり「至急の議題があるんですけど、生徒会室に今すぐいいかしら」
天使「先生が来るわ、早く席について」
ゆり「…っ!」ムカッ
マミ「ちょ、ちょっとゆりさん、落ち着いて…」
74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:52:17 ID:co2jGLaI
ガラララ…
NPC教師「おーい、授業始めるぞ、席つけー」
NPC教師「ん?おい、そこ、どうした」
ゆり「先生、この子体調悪いみたいなので、保健室で休ませてあげてもいいですか?」
NPC教師「そうなのかー、わかった、連れていってやれ」
ゆり「はーい」
ゆり「ほら、行こう」ニコ
天使「……」
スタスタ…
ゆり「行くわよ、巴さん」
マミ「う、うん」
75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:53:29 ID:co2jGLaI
~学習棟A棟 生徒会室~
ゆり「ようやく来てくれたわね」
天使「早く授業に戻りたいのだけど…」
天使「で、何かしら至急の議題って」
ゆり「魔法少女についてよ…」
ゆり「こないだ巴さんに言ってたわよね」
ゆり「あなたのような人を見るのは初めてじゃないって」
ゆり「それってやっぱり過去にここで魔法少女に会ったことがあるってことかしら」
天使「…そんなことを聞くためにわざわざ授業を抜けさせてここに呼んだの」
ゆり「いいから質問に答えて」
76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:55:23 ID:co2jGLaI
天使「……」
天使「そうね…確かに私は過去に『自分は魔法少女だ』と名乗る子に会ったわ」
ゆりマミ「!」
ゆり「…その子はどうしてこの世界に来たの」
天使「それだけの理由があったからよ」
ゆり「……」
ゆり「その子は今どこにいるの?」
天使「さあ、そこまでは知らないわ」
ゆり「…もしかして、もうこの世界にいないの…?」
天使「…知らないわ」
天使「もう授業に戻っていいかしら」
77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:56:36 ID:co2jGLaI
ゆり「待って、最後に一つだけ答えて」
天使「…?」
ゆり「あなたはその子に負けたの?」
天使「……」
天使「一度だけ…」
天使「でも、それからは対処したわ」
ゆり「!!」
マミ「……」
天使「それじゃ…私は授業に戻る…」
ガラララ…
ゆり「…」
ゆり「一度だけ、負けたことがあると言っていたわね…」
マミ「ええ…その魔法少女の子がどんな能力だったのかはわからないけど…」
ゆり「…作戦次第ってことかしらね」
78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/20(金) 21:58:22 ID:co2jGLaI
~学習棟A棟 廊下~
スタスタ…
ゆり「はあ~…聞くだけのことは聞いたし、本部に戻りましょ、巴さん」
マミ「うん」
マミ「これからどうするつもり、ゆりさん」
ゆり「そうね、とりあえず考えなきゃならないことがたくさんあるわ…色々とね…」
マミ「そっか」
ゆり「……」
スタスタ…
??「あ、あの、マミさん…?マミさんですよね!?」
マミ「え?」
マミ「み、美樹さん!!」
84: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:04:41 ID:MIU4C.bU
マミ「ど、どうしてここに!?」
ゆり「!」
さやか「いやあ、やっと本当の知り合いに会った気分ですよ~!」
さやか「ん~、でもマミさんがいることってことは」
さやか「あたしもやっぱり死んじゃったのかあ…」
さやか「天国って、本当にあるのかと思ってたら、まさかの学校なんてビビリました!」
マミ「あ、あの、美樹さん」
さやか「…でも、良かった、マミさんに会えて…なんか周りは知らない奴ばっかで…」
ゆり「…あの、巴さん、この人は知り合いかしら」
マミ「え、ええ」
ゆり「ということはこの子は人間ってこと?」
マミ「もちろんよ」
85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:06:04 ID:MIU4C.bU
さやか「ん?なんだかよくわかんないけど、天国でのマミさんのお友達ですか?」
マミ「ま、まあ」
ゆり「あなた、ちょっといいかしら」
さやか「え?あたし?」
ゆり「あなた、生きていた頃の記憶あるんでしょ?」
さやか「うん、もちろん」
ゆり「なら話は早いわ、入隊してちょうだい」
さやか「へ?入隊?って」
マミ「こ、ここは私が説明したほうが…」
ゆり「そう?じゃあお願い、巴さん」
86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:10:10 ID:MIU4C.bU
……………
さやか「ええぇぇ~っ!!」
さやか「ここは天国じゃないの!?」
さやか「そ、そしてここには天使って奴がいて」
さやか「そいつを倒せばこの世界を手に入れれるの!?」
ゆり「ええ、それが私たち『死んだ世界戦線』の目的よ」
さやか「な、なるほど…それでマミさんはその人たちと一緒にいるわけですかあ」
マミ「そんなとろね」
ゆり「そういうこと、どう?あなたも入隊する気になったかしら?」
さやか「もちろん…マミさんがいるなら、あたしもそれについていきます!」
87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:11:54 ID:MIU4C.bU
ゆり「じゃあ決定ね、私はゆり、この戦線のリーダーをしているわ」
さやか「あたしは『美樹さやか』、マミさんの後輩やってます」
ゆり「美樹さんね、これからよろしく」
さやか「はいっ、ゆりさん」
ゆり「それと…参考までに聞いておきたいんだけど、もしかして美樹さんも魔法少女なのかしら」
さやか「おお、よくぞ聞いてくださいましたあ!」
スッ
さやか「じゃじゃーんっ」
ゆり「これは…」
マミ「…水色のソウルジェム…」
マミ「…美樹さん、やっぱり契約を…」
さやか「う、うん、あの後いろいろあってね…あたしも色々考えたんだけど…やっぱり…」
マミ「そ、そう…」
88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:12:52 ID:MIU4C.bU
ゆり「とりあえず、あなたも魔法少女なのね、美樹さん」
さやか「うんっ」
ゆり「それは良かったわ、あなたも戦線の重要な存在ってことね」
さやか「へへっーんっ!そりゃ天下のさやかちゃんですからね~」
ゆり「期待してるわ」
ゆり「じゃあ、戦線のみんなに挨拶にいくわよ、本部へ戻りましょ、二人とも」
マミさや「うん」
89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:15:13 ID:MIU4C.bU
対天使用作戦本部
ゆり「ということで、戦線に新たな仲間が加わることになったわ」
ゆり「巴さんの後輩である、美樹さやかさんよ」
さやか「美樹さやかです、これからガンガン天使倒すために活躍するんで、よろしくお願いしますっ」
藤巻「おいおい、ガンガン天使倒すって…」
日向「…まさか…」
野田「ハッ!何がガンガン天使倒すだ!まずは俺を倒してから言いな!」
ジャキン!
さやか「あの~、ゆりさん、この人はどうすれば…」
ゆり「ああ、その人はアホだからほっといてあげて」
野田「……」
野田「勝負しろ!新入り!!」
90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:17:11 ID:MIU4C.bU
日向「あ~あ、また始まった…」
さやか「…やってやろうじゃん!さやかちゃんなめたら痛い目見るからねっ」
大山「無視してあげて、その人はアホなんだ、そっとしといてあげて」
ゆり「そうね、せっかくの機会だし、野田君、美樹さんと勝負してみたら」
ゆり「美樹さん、全力でそのアホを倒してみて」
さやか「え、いいんですか」
ゆり「大丈夫よ、どうせこの世界じゃ死にはしないから」
さやか「じゃあ、遠慮なく…」
シュイン!
一同「!!」
野田「ハッ!やっぱり、てめえも魔法なんたらか!」
野田(ここでコイツを倒せば、ゆりっぺも少しは俺のことを…)
91: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:18:43 ID:MIU4C.bU
…ザシュッ!
野田「って…あれ…?」
ドタ…
日向「ああ、アホだ…」
さやか「へへ~ん、さやかちゃんにかかればこんなもんなんですからね~」
藤巻「…よ、容赦ねえんだな…魔法少女って…」
さやか「さあて、次は誰が相手かな~」
チラッ
大山「ひいっ!」
92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:19:50 ID:MIU4C.bU
さやか「な~んてね、冗談、冗談っ」
マミ「…ちょ、ちょっとやり過ぎじゃないかしら、美樹さん…」
さやか「あ、ははは、ちょっとやり過ぎちゃいましたかね~」
ゆり「とりあえず、これで魔法少女が2人も戦線に加わってくれたわ」
ゆり「これは戦線にとっても大きなことだし、この2人は重要な存在なの」
ゆり「だから、みんなよろしくね」
93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:21:38 ID:MIU4C.bU
学習棟A棟 屋上
さやか「…みんな思ったほど悪い人じゃないみたいですね、マミさん」
マミ「ええ、みんないい人たちばかりよ」
さやか「面白い人たちみたいだし」
マミ「うん」
さやか「…大きな学校なんですね」
マミ「…うん、まさか死んだらこんな世界に来るなんてね」
さやか「……」
さやか「とりあえず、マミさんに会えてよかったです」
さやか「あたし、マミさんに会ったら謝りたかったんです」
マミ「え…?謝るって…」
94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:23:24 ID:MIU4C.bU
さやか「ごめんなさいっ」ペコッ
さやか「あたしのこと、心配してあそこまで、忠告してくれたの…結局あたし契約しちゃって…」
マミ「……」
マミ「でも、自分で決めたことでしょ…」
さやか「はいっ、もちろん、あたしは他人の願い事を叶えたこと後悔してないですよ」
マミ「そう…彼の願いを叶えたのね…あなたが後悔してないならそれは意味があったってことよ…」
さやか「はいっ」
さやか「まあ、でもあたし死んじゃったんですけどね」
さやか「あはは……」
マミ「……」
95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:24:49 ID:MIU4C.bU
さやか「あたし、あたし…死んじゃったんですよねっ…ひっく…」
さやか「も、もう…恭介にも…まどかにもっ…家族にも…会えないんですよねっ……ううっ…ひっくっ…」
マミ「美樹さん……」
さやか「マミさんっ…!あたしっ、あたしっ…!」
ダキッ
マミ「大丈夫、大丈夫よ…美樹さん…私はいつまでも美樹さんといるから」
さやか「ううっ…ひっくっ…ぐすっ…」
さやか「…久しぶりに会ったのに、ごめんなさい…マミさん」
マミ「ううん、いいのよ…」
マミ「…そうよね…後悔があって当然だわ…私だってそうだった…」
さやか「……うん」
96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:26:29 ID:MIU4C.bU
マミ「でもね、ここはみんなそうなの…」
マミ「みんな同じような人生を送ってここにいるの…」
マミ「あの人たちもみんな、ああして笑っているけど、それでも理不尽な人生を送ってきているの…」
さやか「…そうなんですよね、あたしだけじゃないんですよね…」
マミ「ええ、だから私はあの人たちといると決めたの…」
マミ「この世界のことも、まだよくイマイチわからないけど、それでもあの人たちといると私は楽しいわ」
さやか「そうですよね、あたしもみんなと早く仲良くならなくっちゃっ」
マミ「美樹さんなら大丈夫よ、すぐに仲良くなれるわ」
マミ「だって、美樹さんは私と違って友達作るの上手そうですもん」
さやか「いやいや~そんなことないですよ~」
97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:28:10 ID:MIU4C.bU
数日後
~対天使用作戦本部~
ゆり「それじゃ、総員に通達する」
ゆり「美樹さん、カーテン閉めて」
さやか「はーい」
ゆり「今回のオペレーションは天使エリア侵入作戦を行う」
ゆり「決行は三日後」
一同「おおぉ!」
日向「だいぶ前から話はしていたが…」
藤巻「いよいよ決行の時が来たか…」
松下「う~ん、これは難しいのがきたなあ」
高松「天使エリアへの侵入ですか…」
大山「計画はしてたけど、実際大丈夫なのかなあ」
椎名「あさはかなり」
98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:29:32 ID:MIU4C.bU
ゆり「まあまあ、魔法少女という戦力がありながら、これを持て余しておくのはあまりにももったいなすぎる」
ゆり「今をおいて決行のチャンスは無いと思うの」
ゆり「予定通り、陽動部隊であるガルデモに体育館で時間稼ぎをしてもらい、主力部隊が天使エリアへ侵入」
ゆり「そして、一番の要である天使の侵攻阻止にあなたたち2人であたってもらうわ」
99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:30:34 ID:MIU4C.bU
マミ「その、『陽動』ってのは何なの?」
ゆり「トルネードの時に聞いてなかったの?」
マミ「天使との戦闘に気を取られてて…」
ゆり「岩沢さんは校内でロックバンドを組んでいて、一般生徒の人気を勝ち得ている」
ゆり「私たちは彼らに直接危害を加えないけど、時には利用したり、妨げになる時は」
ゆり「その場から排除しなくてはならない、そういう時に彼女たちが陽動するの」
さやか「ええ!?バンドしてるんですか!?」
岩沢「ああ…」
日向「つまり彼女たちのバンドにはそれだけの実力と魅力があるってことだ」
マミ「…すごいのね」
100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:32:34 ID:MIU4C.bU
ゆり「それじゃ気を取り直して、作戦の概要を説明するわ」
ゆり「作戦参加部隊は大きくわけて三つ、一つは私を中心とする天使エリアに侵入する主力部隊」
ゆり「天使エリアの防衛体制、また規模も不明なため必要人員は6名か7名と判断するわ」
ゆり「もちろん各自武装してね」
ゆり「次は岩沢さんを中心とする陽動部隊、ガルデモのライブでの一般生徒の陽動が任務となるわ」
ゆり「ただし、今回、トルネードと違うのはゲリラライブと違い、告知での体育館占拠ライブを行ってもらうわ」
一同「!!」
日向「大丈夫なのか!?それ!?」
ゆり「もちろんリスクは伴うわ、告知ライブだから、おそらく天使も事前に何か手を打ってくるかもしれない」
ゆり「それに、天使は足止めできたとしても、問題はNPCの教師」
ゆり「作戦決行は夜を予定しているし、告知での体育館占拠、生徒会長が動いて、それでもライブが続いていれば」
ゆり「次は間違い無く、教師が動くことになるわ」
ゆり「もちろん陽動部隊の別働班に教師たちの時間稼ぎはしてもらう予定だけど」
ゆり「それでもどこまでもつかは不明だわ」
102: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:33:52 ID:MIU4C.bU
ゆり「万が一、教師、もしくは天使の介入でライブを中止された時点で作戦は中止、各自タイミングを見計らって撤退」
ゆり「天使エリアでの作戦行動時間確保のためにも、ガルデモには多数の一般生徒を陽動してもらい」
ゆり「時間を稼いでもらう必要がある、今回の作戦はいつも以上に重要になるわ、岩沢さん、派手によろしくね」
岩沢「オーケー…」
ゆり「そして、最後が巴さんと美樹さんによる、天使の侵攻阻止部隊よ」
ゆり「ライブが始まって、天使がどんな対策に出るかは、不明だわ」
ゆり「でも天使発見の報せを受けたら、あなたたちは即天使に接触」
ゆり「そして、場合によっては武器を使用して天使を誘導、侵攻を阻止してもらうわ」
103: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:35:25 ID:MIU4C.bU
マミ「うん」
さやか「これは、あたしたちにしかできない役目だね」
ゆり「以上!これが作戦の概要よ」
ゆり「作戦決行はさっきも言った通り、三日後の18:00、ライブの開始は19:00を予定しているわ」
ゆり「各部隊の行動の詳細については各自、折り入って連絡する」
ゆり「今回のオペレーションは戦線始まって以来の大掛かりなオペレーションになる」
ゆり「全員、気を引き締めてかかりなさい!」
一同「おお!!」
104: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:39:38 ID:MIU4C.bU
翌日
~学習棟B棟~
スタスタ…
さやか「おっしゃあ、初のオペレーションだあ、燃えてきたあっ!」
マミ「いくら死なないからって油断しちゃダメよ、美樹さん、天使だって強いんだから」
さやか「もっちろんっ、わかってますよ~っ」
105: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:41:18 ID:MIU4C.bU
学習棟B棟 掲示板
??「っと、ほっ…と、よっと…」ペタペタ
さやか「へえ、これが派手な陽動ってやつかあ」
??「へっ!」
??「おあ!?」
さやか「ああ、ごめん、驚かせた?」
ユイ「ああ、あなたたちでしたか」
さやか「え?あたしたちのこと知ってるの?」
ユイ「はいっ」
ユイ「いつもデカイ斧持って歩いてる先輩が、奴らは最悪をもたらすから注意しろとかなんとか言ってました」
マミ「あははは…野田君ね…」
さやか「ところで…ええっと…」
106: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:43:08 ID:MIU4C.bU
ユイ「『ユイ』です!まだ陽動班の下っ端ですが…ガルデモのお手伝いができるなんてそれだけで満足ですっ!!」
さやか「へえ…じゃあ『ユイ』って呼んでいい?」
ユイ「はいです!」
ユイ「でも、どうしてですか?いきなり私のこと名前で呼ぶなんて…ま、まさか…!」
ユイ「も、もしかして女の子にしか興味ない…とか?」
さやか「んなわけあるかっ」
ユイ「じゃあ、どうしてですか?」
さやか「ん~…なんでだろ、あたしにもよくわかんないけど…なんかあたしに似てるなあ~と思って…」
ユイ「ええ?私がですが?」
マミ「あ、言われてみれば確かに、あなたたち声がそっくりだわ!」
さやか「おお、なるほど、だからなんか似てると思ったんだあ~」
107: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/21(土) 22:44:49 ID:MIU4C.bU
ユイ「ええ?そうですかあ~?似てますかあ~?」
ユイ「ユイの方が可愛いと思うんですけどねえ~」
さやか「……」ムカッ
さやか「ああ、やっぱり似てないわ、あたしこの子みたいに自信過剰じゃないし~」
ユイ「んだとこらああああ~」
さやか「何よ~自分で可愛いって言ってたじゃん~」
マミ「まあまあ、2人とも落ち着いて」
112: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:12:51 ID:yM.26Z3Y
~作戦開始日~
18:00
ゆり「各員、準備はいいわね、オペレーションスタート!!」
113: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:15:41 ID:yM.26Z3Y
~女子寮前~
ゆり「だいぶ人は減ってきたようね…」
日向「しかし…まさかこの人数で女子寮に侵入することになるとはなあ…」
ゆり「遊佐さん、そっちの状況は?」
遊佐「こちら遊佐です」
遊佐「ライブ開始一時間前ですが、一般生徒が集まり始めています」
ゆり「了解」
ゆり「巴さん、聞こえる?」
マミ「え!あ、うん、びっくりした…」
ゆり「インカムの使い方、遊佐さんに習ったでしょ、いい加減覚えなさい」
ゆり「あなたたちは予定通り体育館にて待機ね、おそらく天使発見の報が入るから」
ゆり「それが入ったらすぐに現場に向かって」
マミ「うん」
さやか「さやかちゃんがいるからだいじょぶ、だいじょぶ!」
ゆり「美樹さんも期待してるわ」
114: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:16:46 ID:yM.26Z3Y
19:00
~体育館~
岩沢「時間だ」
岩沢「さあ、派手にやろーぜ!」
ギュイィィン!
115: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:18:41 ID:yM.26Z3Y
~女子寮~
コソコソ…
ゆり「主力部隊、女子寮侵入に成功」
ゆり「日向君、よろしく」
日向「…あいよ」
ガチャガチャ…
日向「クソ…なかなか開かねえな…」
ガチャガチャ…
ゆり「何してんの!早くしなさいよ!」コソコソ
日向「やってるよ!」
116: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:19:58 ID:yM.26Z3Y
日向「ったく…ピッキングなんて早々できるかよ」
ガチャガチャ
ゆり「あれだけ練習させたじゃない!」
大山「ええ!日向君ピッキングの練習してたの!?」
日向「ゆりっぺに強制させられたんだよっ」
野田「こういうコソコソしたのには貴様がピッタリだ」
日向「そりゃてめーは目立つからな!」
ガチャガチャ…
カチャ!
日向「お!開いた!!」
117: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:21:24 ID:yM.26Z3Y
松下「……」
ガチャ…
ドタタタタ!
…ジャキ!
野田「クリア!」
日向「クリア!」
ゆり「よし、侵入成功ね」
ゆり「天使エリアへ侵入、電気は消したままにしといて」
日向「見たところ、前に来たときと変わらないみたいだが…」
ゆり「とりあえず私はパソコンのデータを漁ってみる」
ゆり「後は部屋に怪しいものがないかどうか、探してみて」
高松「どう見ても普通の部屋ですが…」
ゆり「いいから、何か怪しいものが無いか、探すのよ!」
118: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:23:22 ID:yM.26Z3Y
その頃
~体育館~
…
ギュイィィィン!
NPC「おおおお!!」
NPC「きゃああ!!岩沢さ~ん!!」
NPC「イエイ!イエイ!ヒュー!ヒュー!」
マミ「すごい…」
さやか「ほんとにすごいですよ…女の子だけでこれだけの演奏力なんて…」
ユイ「ね?言ったでしょ!?これがガルデモなんだから」
さやか「ユイ!どうしてあんたがここに」
ユイ「そりゃ私は陽動班ですから、ライブを見守るのも任務ですしっ」
さやか「あんたが言ってた通りホントにすごいね、ガルデモは…」
ユイ「ふんっ、でしょ!でしょ!」
119: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:24:18 ID:yM.26Z3Y
岩沢「はあ、はあ、はあ」
岩沢(どうして、もっと集まってくれ)
…キュィィィイイイン…!
ひさ子(アルケミー!?こんな序盤で…)
ユイ「いいぞっ~!」
~~♪
岩沢「無限に生きたい 無限に生きられたら 全て叶う」
岩沢「でもいろんなものが あたしを追い込んでく」
~~♪
120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:25:28 ID:yM.26Z3Y
遊佐「こちら遊佐です、体育館の盛り上がりは最高潮と判断します」
遊佐「今のところ、妨害は一切確認できません」
ゆり「了解」
遊佐「それと天使発見の報がありました」
遊佐「天使は現在、学習棟前を通過、こちらに向かっているようです」
ゆり「聞いたわね、巴さん、後は頼むわよ」
マミ「わかったわ」
121: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:26:24 ID:yM.26Z3Y
マミ「行くわよ、美樹さん」
さやか「ええ~、ちょうどいいとこなのに~」
ユイ「天使が出たんですか!?」
マミ「ええ」
さやか「…大丈夫だよ、ユイ、あたしたちがここに来るのを止めてみせるから」
ユイ「期待してます!」
122: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:27:35 ID:yM.26Z3Y
~学習棟A棟前~
天使「……」
スタスタ
スッ…
マミ「悪いけど…」
さやか「体育館には行かせないよ、天使さん」
天使「…またあなたたち…」
天使「ガードスキル…ハンドソニック…」
マミ「準備はいい?美樹さん」
さやか「はい、いつでもオッケーですよ」
シュイン!
シュイン!
バッ!
ガキン!
123: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:28:59 ID:yM.26Z3Y
女子寮 天使エリア
ゆり「ダメね…コンピュータにはパスワードがかかってるわ…」
ゆり「そっちはどう?」
日向「いや、こっちも怪しいものな何もねえ、前来た通りだ」
大山「中身も普通の女の子の部屋だね」
高松「…何もかも普通ですね」
野田「クソッ」
松下「ここまで来て戦果無しか…」
ゆり「いえ、ここまで来たのよ、何かあるはずよ、何か必ず…」
124: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:30:20 ID:yM.26Z3Y
~体育館~
♪~~
岩沢「歩いて来た 道振り返らない」
岩沢「嫌なことばかりでも 前へ進め」
♪~~
___
ガチャ!
ドタドタ!
NPC教師「コラ!お前たち!」
NPC教師「何してる!大人しく寮に戻れ!!」
NPC「やだよ!ぜってぇ見てーもん!!」
NPC「そうよ!!お前らこそ帰れ!!」
NPC「そうだ!そうだ!」
125: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:31:44 ID:yM.26Z3Y
遊佐「教師が現れました、天使の姿は見えません」
ゆり「そう…中止になるのも時間の問題ね」
ゆり「各員、撤退準備、散らかしたものは元の位置にきちんと戻しておいて」
126: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:32:41 ID:yM.26Z3Y
~学習棟A棟前~
……
ガキン!
ガギキン!
ズササー…!
さやか「っ!」
さやか「何なんだよ、コイツ」
マミ「天使よ、私たちの力でも手に負えないわ…」
さやか「くっ…でも、まだまだっ!」
バッ!
127: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:34:20 ID:yM.26Z3Y
遊佐「陽動班、全員撤退しました」
ゆり「ちっ、ここまでね」
日向「ここまでして…得るもの無しか…」
ゆり「…撤退するわよ」
ゆり「各自撤退、巴さん、聞こえる?」
128: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:35:03 ID:yM.26Z3Y
~学習棟A棟前~
マミ「え?撤退?」
さやか「ゆりさん、なんですって?」
マミ「撤退ですって」
さやか「…仕方ないかあ」
さやか「じゃあ、今日はここまでだからね、天使」
さやか「次会ったら覚悟しときなよっ」
天使「……」
129: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:36:28 ID:yM.26Z3Y
その後
対天使用作戦本部
日向「わかったことをまとめてくれ、ゆりっぺ」
ゆり「とりあえず、天使の寮の部屋は普通であったこと」
ゆり「これは私たちが前にあの部屋に入ったときに確認済だったけど」
ゆり「今回も部屋の様子に大きな変化は無かったわ」
ゆり「次に、パソコンにはパスワードがかけてあったこと」
ゆり「…あれだけの規模と人員での作戦だったけど…」
ゆり「恥ずかしい話…これぐらいかしらね…」
130: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:37:58 ID:yM.26Z3Y
日向「しっかし…パスワードなんて誰のパソコンにでもかけることが出来たか?」
高松「確か、あのパソコンは学校から生徒に一人一台支給されたもので」
高松「インターネットの閲覧制限を始め、様々な制限があるはずですが…」
藤巻「そんな規制ばっかのパソコンにパスワードなんかかけれんのかよ」
ゆり「そう…問題はそこなのよ、パスワードがかけてあったと言うことは」
ゆり「必ず、見られてはならない情報があるということよ」
松下「…パスワードか…それをどうするかだな…」
大山「適当な数字とか打ってみちゃダメかな」
ゆり「おおまかな組み合わせはだいたい試したわ、おそらく個人的な何かの数字に設定してあると思う」
一同「……」
ゆり「陽動班と巴さんたちから何か報告は?ある?」
131: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:39:41 ID:yM.26Z3Y
岩沢「いや…特には…」
岩沢「あっ、出来れば天使はいいんだが、教師をどうにかしてほしい」
ゆり「…確かに天使は足止めできたとしても、教師は難しいわね」
日向「NPCに直接危害を加えるのは戦線のモラルに叛するからなあ」
岩沢「そうか…私たちは別にいいんだが、そっちの作戦に影響が出る可能性が今後もある」
ゆり「それは心配しないで大丈夫よ、あなたたちにはいつも頑張ってもらってるから」
ゆり「あなたたちが時間を精一杯稼いでる間に作戦を完遂させるのも私たちの仕事なの」
ゆり「今回はライブが中止になったから戦果がなかったわけじゃないわ、心配しないで、岩沢さん」
岩沢「わかった、それならいいんだ」
132: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:41:31 ID:yM.26Z3Y
ゆり「巴さんの方から何か報告は?」
マミ「別に、何も…」
ゆり「今回は見てないけど、2人で戦ってみて、どうだったの?」
マミ「……対抗しては見たけど、やっぱり難しいわね…」
ゆり「…そう」
さやか「だいだい、あのわけわかんない能力があるから勝てないんだよね」
さやか「マミさんの撃った弾は弾かれるし、あたしの剣は全部止められるし」
さやか「一体アイツはなんだって話なんだよね…」
ゆり「でも、あなたたちなら少なくとも互角には戦えるわ」
マミ「確かにダメージも与えられないけど、こっちが負けるってこともないと思うわ」
ゆり「また機会は必ずある、よろしくね、2人とも」
マミ「ええ」
さやか「もちろん!」
133: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:42:57 ID:yM.26Z3Y
数日後
~学習棟A棟 屋上~
さやか「…どうですか?マミさん」
マミ「え?何が…?」
さやか「この生活ですよ、慣れました?」
マミ「ああ、そのことね…そうね…来た頃に比べればだいぶ…ね」
マミ「どちらかというと美樹さんの方が遅れてきたんだけど…」
さやか「あたしはもう慣れましたよっ」
さやか「なんだかんだで楽しいし、みんな面白い人ばっかりだし」
マミ「ふふ、そうね…」
さやか「でも、まだやっぱり気になるかなあ、まどかのことや…杏子も…」
マミ「…そうよね」
134: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:44:54 ID:yM.26Z3Y
マミ「杏子って…まさか?佐倉さんのこと!?」
さやか「え?あ、そっか…マミさんは杏子に会ってないんだ…」
マミ「…私はあの子のことをよく知ってるわ」
さやか「え!?そうなんですか!?」
マミ「ええ…実はね…」
…………
さやか「そ、そんなことがあったんですか…」
さやか「あ!だからあいつ…」
マミ「自分と重なるところを感じたから、佐倉さんは美樹さんのこと心配してたんじゃないかしら」
さやか「……杏子…」
135: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:46:24 ID:yM.26Z3Y
マミ「……」
さやか「でも…もう会えないんですし…考えたって仕方ないやっ」
マミ「美樹さん…」
さやか「…あたし、ずっと考えてたんです…本当に神様がいるとして…どうしてこんな世界があるのかなって…」
さやか「もし…本当に神様がいるなら…どうしてこんな世界にあたしたちを連れてきたのかなって…」
マミ「……」
さやか「それってやっぱり、昔のことを忘れて、ここで楽しめってことなんじゃないかな~と思って…」
さやか「…だからあたし、昔のことは忘れて、ここでの生活を楽しもうと思うんです!」
マミ「…そうね…それでいいんじゃないかしら…」
さやか「ですよねっ」
マミ「それじゃ、そろそろ戻りましょっか」
さやか「はいっ」
136: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:47:48 ID:yM.26Z3Y
~対天使用作戦本部~
ガヤガヤ
TK「one two let's dance!」
松下「わん、つー、れっつ、ダンス…っと」
クルクル
藤巻「ぐかああ…」zzz
高松「……」フキフキ
テクテクテクテク
大山「可愛いですね~、ねっ?椎名さん」
椎名「あ、あさはかなり…」
137: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:48:53 ID:yM.26Z3Y
さやか「ああ~ユイ、そこはあたしの席なんだけど」
ユイ「ユイが先に座ってたんですけど~」
さやか「いいから、どいて」
ユイ「ええ~ひどい~ひなっち先輩、コイツどうにかしてくださいよ~」
ブンブン
日向「…ったく、ここは小学校かよ、ガキばっか増えてくなあ…」
ユイ「ひなっち先輩ってばあ~」
日向「おいおい、魔法少女様なんだし、席くらいどいてやれよ」
ユイ「えっ!?ひなっち先輩まで魔法少女の味方っすか!?」
ユイ「まさかの裏切りですか!?私だけの味方になってくれるって言ったじゃないですかあ~!」
日向「…いつ言ったよ、そんなこと…」
138: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 20:50:05 ID:yM.26Z3Y
さやか「とりあえずそういうことだから、どいて、ユイ」
マミ「ま、まあまあ、美樹さん、私たちは別のとこに座りましょうよ」
ユイ「いやあ、やっぱりともっち先輩はいい人っすね~!」
ユイ「それに比べてこっちの青いのときたら、魔法少女のやりすぎで頭どうかしちゃったんすかね~!?」
さやか「…」ムカッ
さやか「んだとこらああ~!」
ユイ「やるかこらあああ~!」
日向「ほんとにガキばっかだな…」
マミ「あははは…」
ガヤガヤ…
マミ「…こ、ここは…?」ゆり「…ようこそ死んでたまるか戦線へ」 - ノヴェーラ
http://ancou123.blog.fc2.com/blog-entry-154.html
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/19(木) 20:41:57 ID:Dd3Rw2Ngマミ「…こ、ここは…?」マミ「……はっ!」マミ「…そうだ!私は…!」ゆり「…目が覚めた?」マミ「あなた…」ゆり「ようこそ、死んでたまるか戦線へ」...