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③まどか「まど」アラジン「マギ!」/クロスオーバーSS「魔法少女まどか☆マギカ」×「マギ」

アラジン「……ホムさんは、どうなんだろう」 マミ「さあ。彼女の事は、私もあまりよく分からないの」 マミ「ただ暁美さんは、魔女について、私でも知らないような多くの知識を持っているわ」 マミ「そして

③まどか「まど」アラジン「マギ!」/クロスオーバーSS「魔法少女まどか☆マギカ」×「マギ」

アラジン「……ホムさんは、どうなんだろう」

マミ「さあ。彼女の事は、私もあまりよく分からないの」

マミ「ただ暁美さんは、魔女について、私でも知らないような多くの知識を持っているわ」

マミ「そして誰よりも強く、ワルプルギスの夜を倒したいと思っている……」

アラジン「ホムさんも……僕達みたいに、何かとても大切な役目があるのかもしれないね」

マミ「そうね……」

  二人がしばらく歩いていると、二股に分かれた道に出くわした。

マミ「ここで道が分かれているわ……アラジン君、ここでまた分かれて、魔女探しの続きをしない?」

アラジン「そうだね。ホムさんも杏子さんも、まだ魔女探しを続けているかもしれないし」

マミ「じゃあ、決まりね!」

  そしてマミとアラジンは、それぞれ別の道を歩き出した。


マミ「!?」

  道を歩いていると、前方からマミの見覚えのある人物が歩いてくるのが見えた。
  傷だらけで、虚ろな目をして歩いている杏子だった。
109 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月14日 (火) 23:23:41 ID: 2j.Qls3A
マミ「佐倉さん!どうしたの?」

杏子「あ、ああ、マミか。ちょっと魔女を見つけてさ」

杏子「ホントは人を呼ぶべきだったんだけど、さやかのマヌケが捕まってたから慌ててな」

マミ「そうじゃないわよ!あちこち傷だらけじゃないの!」

杏子「どうでもいいさ、そんなこと……腕や脚が取れたって、死ぬわけじゃなし」

マミ「そりゃ回復魔法はあるけど、魔法少女だって人間よ?最近の貴方は無茶をし過ぎるわ」

マミ「使い魔まで倒すのは、悪いことじゃないけど……効率重視の貴方らしくない」

杏子「まあね。前は弱い一般人が魔女や使い魔に食われても関係ないって思ってたけどさ」

杏子「アタシにも、さやかや、あのピンク色の……魔法少女じゃない知り合いが出来たからね」

杏子「ソイツらが食われたらって思うと、倒さずにはいられねえのさ」

マミ「それならいいけど……」

杏子「そうそう。だからアタシは、大丈夫……」

  杏子は力なくその場に倒れこんだ。
110 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月14日 (火) 23:24:36 ID: 2j.Qls3A
マミ「やっぱり大丈夫じゃないじゃない!佐倉さん、今すぐ回復魔法を……」

  マミは杏子を抱き起こす。

杏子「はは、ダセえな、アタシ……正義の味方ごっこなんてするから……」

杏子「効率重視で魔女だけを仕留める戦い方をしてきたから、他のやり方じゃてんでダメだ」

杏子「なんでそんな単純なことに、こんなになるまで気付かなかったんだろうな……」

マミ「動かないの。今治すからじっとしてて。貴方は治癒魔法が苦手なんだから」

杏子「ははは。マミは優しいな……まぶしいよ……」

杏子「同じ魔法少女なはずなのに……家族を亡くして一人ぼっちなはずなのに……」

杏子「マミは正義の味方で、アタシは魔法を使って盗みはするわ魔法少女をぶちのめすわで……」

マミ「やめなさい。私だって、正真正銘の正義の味方というわけではないわ」

杏子「かもな。魔法少女なんてモノになった時点で、正義とは程遠い存在なのかもしれねえ」

  杏子の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
111 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月14日 (火) 23:32:11 ID: 2j.Qls3A
杏子「アタシは運命を受け入れられずに、キュゥべぇとの契約でそれを歪めちまった」

杏子「考えて悩んで、運命を受け入れて、自分で色々やってみた結果、契約しなかったさやかと違ってな」

杏子「今となってはさやかも眩しいぜ。アタシはもう、普通の人間には戻れねえ」

杏子「アタシ、なんであんなにアッサリ魔法少女になっちまったんだろう……」

杏子「親父の話を聞いてほしいなら、駅前でビラでも配ればよかった。貧乏がイヤなら働けばよかった」

マミ「杏子、それは……しかたなかった……しかたなかったのよ……!」

杏子「いや……アタシは選べた。マミとは違ってな」

杏子「アタシは分かってもらえなくて寂しくて、貧乏がイヤで、安易に魔法なんかに手を出した」

杏子「そんな怠け者のクズだから、全部、全部失っちまった……!」

杏子「何でアタシは、こんなクズになっちまったんだろうな……アタシばかりが闇の中にいる……」

杏子「魔法少女になったからか?家が貧乏になってからか?いや……もっと、前……?」

杏子「生まれたときから、こうなる事が、決まってたのか……?運命なのか……?」

杏子「アタシが、アタシだけが……生まれながらのクズだって言うのかよ!」

  杏子の濁ったソウルジェムに、亀裂が入った。
112 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月14日 (火) 23:34:15 ID: 2j.Qls3A
マミ「落ち着いて杏子!ソウルジェムが限界よ!早くグリーフシードを使って……」

杏子「残念ながらあの魔女、グリーフシードを落とさなかったんだよな……」

マミ「じゃあワルプルギスの夜のためにとっておいたグリーフシードがあるから、これを……」

杏子「いや、いらねえ。多分これもきっとアタシの運命なんだ」

杏子「今、ここを切り抜けたとしても、きっと同じ事になる……そんな気がするんだ」

マミ「そんな……!」

杏子「なあマミ、聞いてくれ。アタシはこれからグリーフシードを生むだろう」

杏子「そのグリーフシードはマミと、ほむらで……ワルプルギスの夜を倒すために使ってくれ」

マミ「え?」

杏子「よろしく……『マミさん』」

  杏子は微笑む。マミと組んでいた頃の無邪気な瞳で。
  そして、杏子のソウルジェムが割れた。

マミ「ま……じょ……?」

  杏子のソウルジェムはグリーフシードとなり、武旦の魔女を生み出した。
113 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月14日 (火) 23:36:49 ID: 2j.Qls3A
これで今日の分は終了です。
次はバトルとかもちょこちょこ入って、アラジンの出番も多くなるはず……
114 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 00:55:34 ID: XYnYqVEs
アラジン「黒いルフに似た、この気配……魔女だ!」

  アラジンは気配を追い、結界にたどり着く。

アラジン(変だな、この結界……初めて見るはずなのに、知っているような……)

  深い霧の中、うっすらと赤い町並みが見える。
  全く覚えの無い風景なのに何故か知っている気がする。

アラジン(あれは……何だろう?遠くの方に、灯りが見える……)

アラジン「フラーシュ!」

  一筋の閃光が伸び、結界の中を照らす。

アラジン(あれが魔女か……あれ?あそこにいるのは……)

  灯りに見えたのは、馬に乗り、ろうそくのような頭をした魔女だった。
  そして魔女のすぐ傍には、マミが座り込んでいる。

アラジン(マミおねえさんと……杏子さん!)

  もう動かなくなった、杏子の体を抱えたまま。
115 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 00:56:55 ID: XYnYqVEs
アラジン(まさか、あの魔女は……杏子さん……)

アラジン(ソウルジェムが濁りきって、マミおねえさんの前で魔女化してしまったんだ……)

  呆然と魔女を見つめるマミを見て、アラジンは全てを理解した。

アラジン(だから、あの魔女は、マミおねえさんを襲わないんだね……)

アラジン(いや、違う!)

  動かないマミを鮮やかな人形のような使い魔が取り囲む。

アラジン「危ない、マミおねえさん!ハルハール・ラサース!」

  アラジンは使い魔に向かって炎の弾丸を撃ち込む。
  熱風と火の粉がマミを襲っても、マミは動かない。

アラジン「マミおねえさん、戦っておくれよ!このままでは死んでしまうよ!」

マミ「魔法少女が、魔女に……じゃあ私のしてきたことは……一体……」

  マミは呆然としたままだ。

アラジン「マミおねえさん!マミ……」

  アラジンはマミに駆け寄り、必死でその体を揺さぶる。
  だがそんな二人に、無常にも魔女の馬は襲い掛かった。
116 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 00:57:50 ID: XYnYqVEs
アラジン「あ、危なかった……」

  アラジンはマミを連れて空を飛び、魔女の攻撃をかわした。

アラジン「平気かい?マミおねえさん……」

マミ「信じられない……魔法少女が魔女になるなら……もう、私達は……」

マミ「私達は死ぬしかない!」

  マミはアラジンを、思い切り突き飛ばした。

アラジン「マミおねえさん!」

  マミは結界の中をどんどん落下していく。アラジンは慌ててそれを追った。
  途中魔女がアラジンに向かい槍を振るが、それをかわす。

アラジン「いつか魔女になり人に呪いを与えるとしても、マミおねえさんは魔法少女じゃないか!」

アラジン「みんなに希望を与え、人を助けることを……やめないでおくれよ!」

  マミに追いついたアラジンは、必死に手を伸ばす。
  だがその時、アラジンの背中に衝撃が走った。

アラジン(なぜ……?さっき、かわしたはず……なのに……)

  魔女の槍がアラジンの背中に叩き込まれた。
  アラジンの背後にもう一体魔女がいた。
117 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 00:58:25 ID: XYnYqVEs
アラジン(まずい、さっきの攻撃のせいでうまく飛べない……)

アラジン(こうなったらボルグで、地面に叩きつけられた時の衝撃を少しでも抑える!)

  アラジンは目を閉じた。
  アラジンを取り巻く球形のバリアが光り輝く。

アラジン「……あれ?」

アラジン(かなり落ちたからすごい衝撃が来ると思ったんだけどなぁ、何ともないぞ?)

  アラジンはゆっくりと目を開ける。

アラジン「これは……黄色い、リボン?」

  黄色いリボンで編まれたハンモック。
  これがアラジンの落下を食い止めたのだ。

アラジン「この魔法は確か、いつもマミおねえさんが使っていた……」

マミ「ごめんなさい、アラジン君」

マミ「……目が覚めたわ」
118 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 00:59:02 ID: XYnYqVEs
  二体の魔女が、両方から襲い掛かる。

アラジン「ウーゴくん!」

  アラジンは砂の巨人を作り、その動きを止めた。

マミ「アラジン君、残念だけど……その戦い方はダメよ」

アラジン「!?」

  砂の巨人の手から、魔女がすり抜けた。消滅したのだ。

マミ「あっちがニセモノだったのね。幻惑魔法……あの子の得意技だわ」

マミ「魔女になっても、あの子はあの子なのね……」

アラジン「マミおねえさん……」

マミ「分かっているわ。この魔女があの子なら、この魔女との戦い方を一番分かっているのは私」

マミ「アラジン君。私の言うとおりに、動いてくれるかしら?」
119 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 00:59:47 ID: XYnYqVEs
マミ「レガーレ・ヴァスタアリア!」

アラジン「ラムズ!」

  マミはリボンを用い、アラジンは雷の魔法で、迫る三体の魔女と使い魔に応戦する。

マミ(あの子の長所はそのスピードと幻惑魔法。分身して手数を増やし、絶え間なく相手を攻撃する)

アラジン(そして、相手がその全ての攻撃をさばききるのに、気を取られているスキに……)

  攻撃と攻撃の間の一瞬の隙に、アラジンとマミは周囲を見渡す。
  少し離れた所に、赤い光のようなものがちらりと見えた。

マミ・アラジン(本体による……最大の攻撃が、来る!!)

  巨大な槍と化した魔女が、アラジン達めがけて襲い掛かってきた。

アラジン「ウーゴくん!」

  だが砂の巨人がそれを受け止める。
  魔女は必死にもがくが、動けば動くほど砂の体にめりこんでいく。

アラジン「さあ……マミおねえさん」

マミ「ええ……」

マミ「――ティロ・フィナーレ」

  マミの最大の魔法が、魔女を吹き飛ばした。
120 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 01:02:58 ID: XYnYqVEs
ほむら「この結界には初めて挑むから、苦戦してしまったわ……」

  ほむらは息を切らせながら、杏子の結界の最深部に乗り込んだ。
  しかしそこに、魔女はいなかった。

ほむら「巴……さん……?」

  燃え盛る魔女の死体を前に、マミは泣いていた。
  傍らのアラジンも俯いている。

アラジン「ホムさん……杏子さんが……」

ほむら「ええ……分かっているわ……」

  ほむらも悲しそうに、燃え盛る魔女を見つめる。

ほむら「杏子は、とても強い魔法少女だった。今までこんな事は無かったから……油断をしていたわ」

ほむら「全て上手くいったと思っていたのに、どうして、こんな事に……」


  そして結界の中で三人は立ち尽くしていた。
  魔女も結界も消えてなくなるまで、誰もその場から動かなかった。
121 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 01:04:51 ID: XYnYqVEs
アラジン「気分はどうだい?マミおねえさん」

マミ「ありがとう……だいぶ、落ち着いたわ」

  マミは温かい紅茶を飲み干す。
  家でゆっくりくつろぎ、マミの涙はようやく引いた。

マミ「悪いわね。家まで送ってもらって……あと、紅茶まで淹れてもらえるなんて」

ほむら「いえ。こちらこそ、勝手にお茶っ葉とカップを使ってしまってごめんなさい」

ほむら「それに貴方を助けるのは当然よ。ワルプルギスの夜と戦えるのはもう私と、貴方の二人だけなのだから」

マミ「あら酷いのね暁美さん。アラジン君を忘れてるわよ?」

ほむら「あっ……!ご、ごめんなさい……」

アラジン「いや。いいんだよ、ホムさん……」

アラジン「それよりもマミおねえさん、僕、おなかがすいてしまったよ」

マミ「じゃあ何か軽いものでも作ろうかしら。暁美さん、よかったら一緒にどうかしら?」

ほむら「そうね……そうしたいけど、既に夕飯が用意してあるの」

ほむら「もう貴方も落ち着いたみたいだし、そろそろ私はおいとまさせてもらうわ」

アラジン「玄関まで送るよ、ホムさん」
122 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 01:06:25 ID: XYnYqVEs
アラジン「もう少し、ゆっくりしていけばいいのに」

  玄関を出ようとするほむらに、アラジンが言った。

ほむら「それには及ばないわ。今の巴マミには貴方がついている。私がいる必要は無い」

ほむら「今は落ち着いて見えるけど、巴マミがいつ暴走するか分からない状況なのに変わりはないわ」

ほむら「巴さんから目を離さないで……傍にいてあげて」

アラジン「そこまで心配しているのに、ホムさんはマミおねえさんの傍にはいないのかい?」

ほむら「一緒に戦っているとはいえ、今の私は、少々彼女から警戒されているわ」

ほむら「そんな私がずっと傍にいれば、彼女も心が休まらないんじゃないかと思って」

アラジン「ホムさんは、本当に色々なことを知っているんだね」

アラジン「いつか、もっとゆっくりホムさんとお話したいな。色々なことを教えてよ」

ほむら「ワルプルギスの夜について必要な情報は、全て貴方達に開示しているわよ」

アラジン「う~ん、そうじゃなくて……まあいいか。それよりも……」

アラジン「ご飯を食べた後でいいからさ……お願いがあるんだけど、いいかな?」
123 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 01:08:08 ID: XYnYqVEs
アラジン「ただいま、マミおねえさん!」

マミ「玄関に送っていくだけなのに随分遅かったわね。心配しちゃったわ」

アラジン「ごめんよ。少し話がはずんでしまってね」

アラジン「ホムさんはマミおねえさんのこと、とても心配していたよ……」

マミ「そう……ずいぶん迷惑かけちゃったわね」

アラジン「ホムさんのためにも、頑張ってワルプルギスの夜を倒さないとね」

マミ「でも、そのワルプルギスの夜も、かつては魔法少女だったかもしれないのよね……」

アラジン「でも……魔法少女は魔女を倒す、そして魔女になる。『今は』そういうシステムになっているんだよ」

アラジン「『この』システムから魔法少女を解放するには、やっぱり、倒すしかないんじゃないかなぁ……」

マミ「解放する、か……そうね、きっとそういう考え方もあるわよね……」

マミ「希望が全部絶望に変わって、呪いを撒き散らすだけの存在になるなんて、彼女達も望んでいないはずだもの」

マミ「杏子だって、最期は『よろしく』って言ってくれた」

マミ「ありがとう、アラジン君。貴方といると安心するわ。大きくて優しい流れに導かれているような……」

マミ「ねえ、アラジン君……このまま、ずっと私の傍にいてくれないかしら?」
124 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 01:08:51 ID: XYnYqVEs
アラジン「マミおねえさんと……ずっと一緒に……」

マミ「そう、ワルプルギスの夜を倒して、アラジン君の役目が終わった後もずっと」

マミ「方法はよく分からないけど、手続きして、正式に学校にも行けるようにして……」

マミ「放課後は暁美さんや美樹さんや鹿目さんと、この家に集まって勉強したりお菓子食べたり」

アラジン「とっても素敵だね。僕がこの世界の人間ならきっとそうしていたよ」

アラジン「でも僕には……帰らなきゃいけない世界があるんだ」

マミ「……帰らなければいいじゃない。とても辛くて、苦しい事がたくさんある世界なんでしょ?」

マミ「学校にも行けない。食事も満足に出来ない。奴隷制度なんてものもある」

マミ「それに、私が家にひとりだって言った時も杏子の家族が死んだって言った時も驚かなかったわよね」

マミ「家にパパがいてママがいて、家族全員揃っているのが……当たり前じゃない世界なのね?」

マミ「お願い、アラジン君。そんな危険で悲しい世界になんて帰らないで」
125 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 01:09:37 ID: XYnYqVEs
アラジン「確かに、僕には家族がいない」

アラジン「僕の友達の家族も……疫病で死んだり、奴隷狩りにあったりで……」

アラジン「マミおねえさん達の世界は、なんて幸せに満ち溢れているんだろうって、いつも思うよ」

マミ「だったら……!」

アラジン「でも僕は、とても大切で大事なものをたくさんあの世界に置いてきているんだよ」

アラジン「だから僕はあの世界が大好きで、大切で……とても帰りたいんだ」

マミ「そう。貴方が帰ったら、また私は……ひとりぼっちになってしまうわ……」

マミ「今まで散々アラジン君に頼りっぱなしだったから、また一人でやれるかとても不安ね……」

アラジン「大丈夫さ。恨みや絶望は消えなくても、悲しみや不安はいつか乗り越えられる」

アラジン「だから僕は、もう行かなくちゃ」

マミ「そんな、待ってアラジン君……」

  立ち上がって何処かへ行こうとするアラジンを、マミは引き止める。

アラジン「――ヨア・レーグ」

  だがアラジンはマミの額に杖を突きつけた。
  マミは、その場に倒れこんだ。
126 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月16日 (木) 01:15:14 ID: XYnYqVEs
とりあえず今日の分はこれで終わりです。
次は恐らく、アラジンの出番がかなり少なくなっていると思います。
キャラに均等に出番をふれるようにしたいものです。
127 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:39:49 ID: I44W/jfk
マミ「アラジン君!?」

  アラジンの魔法を受け倒れたマミは、ベッドの上で目を覚ました。

ほむら「おはよう、巴さん。もう朝だけど学校はどうするの?」

  マミのすぐ傍から、ほむらが顔を覗き込む。

マミ「きゃぁぁぁ!あ、暁美さんなんで……!」

ほむら「アラジンに『代わり』を頼まれたの。ワルプルギスの夜が来るまで貴方の傍にいる事にするわ」

ほむら「杏子がいなくなった今、ワルプルギスの夜を倒せるのは貴方とアラジンだけ」

ほむら「その二人が同じ場所を拠点にしている以上、私もここに留まるのが効率的だしね」

マミ「そう……ありがたいけど……」

マミ「そう言えば暁美さん、アラジン君はどこにいるの?『もう行かなくちゃ』なんて言っていたけど」

ほむら「分からないわ……ただ、しばらく帰ってこないのは確かよ」

ほむら「自分にしか出来ない魔女の倒し方を見つけた、そう言っていたわ」

ほむら「一応手紙を預かっているけれど、見る?」

  ほむらはマミに、折りたたまれた一枚の紙を手渡した。
128 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:40:44 ID: I44W/jfk
マミ「手紙?」

ほむら「自分の気持ちを巴さんに直接、正直に言えば、絶対に反対され引き止められる」

ほむら「だけど私に伝言を頼むような事もしたくない……だからこれを残したらしいわ」

マミ「アラジン君が私に……」

ほむら「それが読み終わったら、学校に行くかどうか決めて頂戴」

ほむら「体の疲労は回復しているはずよ。アラジンは貴方に治癒魔法を掛けたといっていたから」

マミ「治癒魔法……じゃあ、私が眠っていたのは……」

ほむら「おそらくその魔法の作用でしょうね」

ほむら「まあ貴方に休息が必要と判断したからかけたのか、貴方の手を振り払うためにかけたのかは分からないけれど」

マミ「アラジン君……私はもう大丈夫よ。だからこの手紙に何が書いてあっても受け入れられるわ……」

  マミは折りたたまれた手紙を開く。

マミ「……すごいわ。きちんと漢字も使っているのね」

ほむら「私もそれは思ったわ。少ししか教えていないのに、大したものよね」

マミ「いけないいけない、大事なのは内容だわ。きちんと読まなくちゃ」

マミ「なになに、『マミおねえさんへ』……」
129 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:41:39 ID: I44W/jfk
――マミおねえさんへ

  まずは、ありがとう。マミおねえさんがいなければ、僕はこの世界で生きていくことさえ出来なかった。

  でもそんなマミおねえさんに、謝らないといけないことがある。

  実は僕は、杏子さんが魔女になるより前に、魔法少女が魔女になることを知っていたんだ。

  その時は魔法少女が魔女になることで世界が救えるなら、仕方がないと思ってしまったんだ。

  でも、その魔法少女のシステムの犠牲になった杏子さんや悲しむマミおねえさんを見て確信した。

  こんなシステムは、変えなくちゃいけないって。

  僕の世界の魔法も、それぞれの呪文が『命令式』というものから成り立つひとつのシステムなんだ。

  命令式を組み合わせ、組み替えることで新しい魔法を作り出すことが出来る。

  そんな魔法を知る僕なら、この魔法少女のシステムを変えられるかもしれない。

  魔女が生まれないように、誰も絶望しないように、システムを書き換えられるかもしれない。

  僕がこの世界にやってきたのは、きっとそうするためだと思うんだ。

  途中で抜け出してしまってごめんよ。でも僕は、この方法に賭けてみたい。

  ワルプルギスの夜までにはきっと戻ってくるよ。それまでどうか、希望を失わないで。

                     ――アラジン
130 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:43:13 ID: I44W/jfk
キュゥべぇ「やあ。君と二人きりで会うのは二度目かな、アラジン」

アラジン「そうだね。ちょっと君に話したい事があるんだ」

  夜の公園にキュゥべぇとアラジンがいた。
  アラジンはキュゥべぇを見てにっこり微笑む。

アラジン「君は僕に真実の言葉で話してくれた。今度は僕が真実の言葉で話す番だ」

キュゥべぇ「契約でもしてくれるのかい?歓迎するよ。君もまどか同様とてつもない才能の持ち主だ」

アラジン「魔法少女には、少女しかなれないんじゃないのかい?」

キュゥべぇ「感情の触れ幅の大きい思春期の少女なら、絶望により多くのエネルギーを得られるというだけだよ」

キュゥべぇ「だから少女が多いだけで、別に適正があるなら少年だって構わないさ」

キュゥべぇ「君とまどかが両方契約してくれれば……うーん、エネルギーが多過ぎて逆に扱いに困るな」

キュゥべぇ「まどかだけでも世界を変えられるほどなのに、そんな才能の持ち主がもう一人いるなんて」

キュゥべぇ「君の才能、もとい抱え込んだ因果の量は素晴らしいね」

キュゥべぇ「もしかして元の世界では……君は、世界を揺るがすような存在だったんじゃないのかい?」

アラジン「申し訳ないけど、僕はそんな話をしに来たんじゃないんだ」

アラジン「魔法少女のシステムについて、君に提案したい事がある」
131 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:46:58 ID: I44W/jfk
キュゥべぇ「あのシステムは既に完成されている。余計な提案は今更必要ないさ」

アラジン「でも、誰かを悲しませないといけないシステムなんて……間違っているよ」

アラジン「犠牲を強いるシステムは必ず恨みや不満、怒りを生む。それはやがてシステムを壊してしまうよ」

キュゥべぇ「何の問題も無いさ。カラクリが分かった魔法少女はたいてい魔女化するからね」

アラジン「どうかな。全てを知って、人知れずシステムを壊すために戦う魔法少女がもういるかもしれないし」

アラジン「これから、現れるかもしれない」

キュゥべぇ「何も分かっていない魔法少女にメチャクチャにされるよりは、僕の手で変えた方がまだマシかもね」

キュゥべぇ「でもそれはとても大変な事だよ。アラジン……君はそれに協力できるって言うのかい?」

アラジン「もちろんさ。僕の魔力を全部、そのために使ったっていい」

キュゥべぇ「嘘だろう?縁もゆかりも無い世界のために、どうしてそこまでするんだい?」

アラジン「この世界にいる以上、僕はこの世界を導いていく。それが僕の役目なんだ」

キュゥべぇ「本当に分からないよ、アラジン。君は一体何者なんだい?」

アラジン「僕はアラジンさ。そして世界を導く、創世の魔法使い」

アラジン「――『マギ』」
132 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:48:36 ID: I44W/jfk
さやか「どうしたんですか?マミさん、顔色悪いですよ」

マミ「いえ、なんでもないの……少し気分がすぐれないだけ」

  学校の屋上でマミ達はいつものように昼食をとっていた。

まどか「大丈夫ですか?保健室に行った方が」

マミ「いいえ。多分昨日……色々あったから、疲れちゃったのね。今日は早めに寝るわ」

ほむら「やっぱり、学校に行くべきではなかったかしら?」

マミ「体の方は問題ないと思うんだけど……どうしてかしらね」

さやか「あの、マミさん、本当にどうしたんですか?」

さやか「今まで何度も魔女退治してきたけど、こんな事なかったじゃないですか」

さやか「それに今日はアラジンの声もしないし……」

まどか「さやかちゃん、やめようよ……」

マミ「美樹さん、だいじょうぶよ、なんでもないのよ……」

ほむら「……杏子が死んだの」

まどか・さやか「……え?」
133 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:49:15 ID: I44W/jfk
マミ「あ、暁美さん!」

ほむら「隠してもいずれバレる事よ。だったら早いうちに言った方がいいわ」

さやか「それ本当なの?杏子が、死んだ……って……」

ほむら「……ええ」

さやか「ウソでしょ、昨日会ったけど、あんな元気で……あたしのこと助けてくれた……のに……」

まどか「やっぱり……魔女に……?」

ほむら「いいえ、違うわ。巴マミ、杏子のグリーフシードを」

マミ「え?こ……これ?」

  マミはほむらにグリーフシードを見せる。
  その頂点には、杏子のソウルジェムのエンブレムと同じエンブレムが輝いていた。

ほむら「見覚えはないかしら?」

さやか「こ……これが、どうしたっていうのよ……魔女の卵、でしょ?」

ほむら「! そうだったわね……貴方は見る機会が少なかったから、見覚えがないかもしれないわ」

マミ「杏子のソウルジェムの、成れの果てよ……」
134 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:50:48 ID: I44W/jfk
さやか「え……どういうことなの……」

ほむら「穢れを溜め込んだソウルジェムはグリーフシードとなり、魔法少女は魔女になる」

ほむら「それがキュゥべぇの作り上げた魔法少女システムの真実」

マミ「杏子は私の目の前で魔女になったわ」

マミ「魔女結界に死体を置いてきた以上、このグリーフシードがあの子の唯一の形見なの」

  マミはグリーフシードを優しく握る。

まどか「そんな……みんな、あんなに魔女退治をがんばって……人を助けるために……」

まどか「なのに、どうしてこんなことになっちゃうんだろう……」

ほむら「そういうシステムだからよ。私達の希望を絶望に変え、奴らはエネルギーを得ているの」

さやか「奴ら?」

ほむら「キュゥべぇ。正式な名前はインキュベーター。意味は、人工孵化装置って所かしら」

ほむら「魔女の卵を孵す……私達魔法少女の敵」
135 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:51:38 ID: I44W/jfk

さやか「あいつ、虫も殺さないような顔して……許せない……」

マミ「私もキュゥべぇの事は許せないわ。でもキュゥべぇを憎んでも杏子は帰ってこない」

マミ「せめて私達に出来るのは、これ以上キュゥべぇと契約する魔法少女を増やさない事」

ほむら「これで分かったでしょう。魔法少女なんて、絶対になっちゃいけないって」

マミ「美樹さん。杏子は最期に、貴方の事を話していたわ」

さやか「あたし?」

マミ「ええ。普通の人間の貴方が、とても羨ましいって」

マミ「安易に魔法に頼らないで、悩んで苦しんで、自分の力で解決した貴方がとても眩しいって。だから」

さやか「そんなの……死んだ後に聞かされたって、全然嬉しくも何ともないよ!」

さやか「あたしだって眩しかった!辛い目にあっても怖い目にあっても平気な強い魔法少女の杏子が!」

さやか「正義の味方には程遠いけど、強くて、たまに優しくて……」

さやか「なんで死んじゃったのよ……あたし、まだ助けてくれたお礼言ってないよ……」

  堰を切ったように、さやかの目からは涙が溢れ出した。
136 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 00:54:52 ID: I44W/jfk
さやか「やだなー。ごめん、最近あたし泣いてばっかりだ……」

ほむら「問題ないわよ。今の貴方はまだ契約していない。魔女化の心配はないわ」

さやか「……魔法少女でもないのに、何であんたにそんな風に言われなきゃいけないのよ」

さやか「契約してないあたしを心配するより先に、自分の心配したらどう?」

まどか「そうだよ。わたし、ほむらちゃんやマミさんの方が心配だよ……」

まどか「魔女化もそうだけど、三人だけでワルプルギスの夜を倒すことなんて、できるの……?」

ほむら「三人じゃなくて二人よ」

まどか「え……?あ、アラジン君は……?」

マミ「あの子は私達とは別行動よ。魔法少女のシステムを変えるとは言っていたけど」

マミ「何をするつもりなのか……今、どこにいるのかさえ分からないわ」

さやか「じゃあ二人だけで、ワルプルギスの夜を……?」

ほむら「そうなるわね。戦力面に不安があるのは事実だけど……」

ほむら「必ず勝ってみせるわ」
137 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月17日 (金) 01:00:08 ID: I44W/jfk
これで今日の分は終わりです。
ほんの少しだけマギらしさのようなものが出せたので良かったです。
クライマックスに向けて進んでいるので、もう少しだけお付き合いください。
138 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月18日 (土) 01:10:40 ID: /KO5fz.g
  様々な記憶がほむらの中を駆け巡る。

  廃墟と化した街、魔法少女として戦い抜いたまどかの遺体の傍でキュゥべぇと契約したこと。
  その次は五人ともが魔法少女として戦っていたこと。その中でさやかが魔女になったこと。
  魔女化の真実を知ったマミに銃を向けられたこと。そのマミをまどかが殺したこと。

  時間停止と時間遡行。この二つを繰り返し、何度も何度もこの一月をやり直したこと。

ほむら(そう、私は、何度もやり直して……何度やっても、上手くいかなかった……)

ほむら(やっぱり私は、まどかを救う事は出来ないの……?)

 ――ほむらちゃんは、過去に戻れるんだよね。
 ――だから、キュゥべぇに騙される前の、バカなわたしを助けてくれないかな……

ほむら(この声は……まどか?この、記憶は……)

 ――約束するわ。絶対に貴方を救ってみせる。何度繰り返すことになっても……

ほむら(そうよ、私はまどかと約束したの。出来る出来ないの問題じゃない)

ほむら(私しか出来ないの……進み続けるしかないのよ!)

  光と記憶の渦が消え、再び夜の闇が戻る。
  ほむらの目からはとめどなく涙が溢れ続けている。

アラジン「よかった……間に合って」

  キュゥべぇを引き連れたアラジンは、ほむらに向かって優しく微笑んだ。
139 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月18日 (土) 01:16:12 ID: /KO5fz.g
キュゥべぇ「君は本当に厄介な力を持っているね。ソウルジェムを浄化させるなんて」

ほむら「あ……」

  ほむらは自分のソウルジェムを見る。
  わずかながら元の紫の輝きを取り戻していた。

アラジン「僕がやった事は、ソウルジェムの浄化じゃないよ」

アラジン「どうやらソウルジェムも、ルフと同じようにアクセスができるみたいだね」

アラジン「僕はホムさんのソウルジェムにアクセスし、ソウルジェムが見てきた全ての事……」

アラジン「つまりホムさんが契約してから今までの記憶を見せたんだ」

アラジン「それで絶望から救えるかどうかは分からないけれど……上手くいってよかった」

アラジン「それだけホムさんにとってまどかさんとの記憶はかけがえのないものだったんだね」

ほむら「ええ。今となってはこれが私の最期の道しるべなの。絶望しないための……」

アラジン「そうだ。僕が持っていても仕方のないものだから、これを使っておくれよ」

アラジン「以前手に入れたグリーフシードを渡すのを忘れていたから、返しに来たのさ」

ほむら「……感謝するわ」

  ほむらはグリーフシードを受け取り、ソウルジェムを浄化させる。

ほむら「ところで、アラジン……貴方、今まで何をしていたの?」
140 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月18日 (土) 01:19:15 ID: /KO5fz.g
ほむら「私に?なぜ?今まで私達とは関係のない所で進めていたでしょう」

アラジン「うん。でも……やっぱり魔法少女の力が必要になってくるんだよ」

キュゥべぇ「システムの形は既に出来ている。でも、トリガーとなる魔法少女の思いが必要なんだ」

キュゥべぇ「システムを変えたいという願い、絶望を無くしたいという祈りがね」

ほむら「喋るのはアラジンだけにして頂戴。貴方が言うとすべてが胡散臭く聞こえるわ」

キュゥべぇ「手厳しいね」

アラジン「でも、キュゥべぇ君はかなり尽力してくれたんだよ?こんなものも作ってくれた」

  アラジンはほむらに黒い王冠のようなものを見せた。

ほむら「何かしら、コレ」

キュゥべぇ「これかい?今のシステムを作った僕達からすれば……」

キュゥべぇ「『悪魔の発明』だね」
141 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月18日 (土) 01:19:49 ID: /KO5fz.g
アラジン「これはソウルジェムのエネルギーを新しいシステムの起爆剤にする装置さ」

アラジン「これを誰のソウルジェムに使うか、そう思った時……ホムさんの顔が浮かんだんだ」

アラジン「ホムさんはこのシステムのせいで、とても辛い思いを何度もした」

アラジン「勝手なお願いだとは思うけれど……新しいシステムを動かす役目は、ホムさんにしてほしい」

アラジン「ううん、ホムさんにしか、できないと思うんだ」

  アラジンの瞳は、どこまでもまっすぐだった。

ほむら「確かに、私はキュゥべぇが憎い。魔女も憎い。魔法少女も憎い」

ほむら「まどかを何度も絶望させ、まどかの命を何度も奪った、あのシステムを絶対に許さない」

ほむら「確かに、その役目に私は適任かもしれないわね」

アラジン「それなら……!」

ほむら「私のソウルジェムに、何らかの悪影響が及ぶ可能性は?」

アラジン「ないよ。一時的に変化するかもしれないけれど……すぐ戻る」

ほむら「なら、引き受けてもいいかもしれないわね……どの道私は」

アラジン「ありがとうホムさんっ!僕もう少しキュゥべぇ君と話し合ってくるよ!」

  アラジンはほむらの話を聞かず、そのまま走り去っていった。
142 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月18日 (土) 01:20:58 ID: /KO5fz.g
さやか「あ、キュゥべぇ!」

さやか「って、アラジンまで一緒じゃん。この一週間何してたの?」

  夜の道で、アラジンとキュゥべぇはさやかに声をかけられた。

アラジン「魔女を倒す方法を考えていたのさ。さやかさんこそ、こんな夜中にどうしたんだい?」

さやか「あたしは、ちょっと、キュゥべぇに……話があるって言うか……」

キュゥべぇ「僕に話があるって事は……契約するって事かい?」

アラジン「でもさやかさんは、運命を受け入れたじゃないか」

アラジン「今更どうして、また契約をしようとするんだい?」

さやか「そ、それとこれとはまた別よ。一応今回も一週間しっかり考えた上での結果だから」

さやか「確かに、全てを受け入れて前に進むことで解決する問題もあるし」

さやか「安易に力に頼るのが、よくない事だっていうのも……分かってる」

さやか「だけど、どんな悲惨な運命でも受け入れなきゃいけないって、そんなの絶対おかしい」

さやか「運命を変えられる力があるなら、あたしはそれを使うよ」

キュゥべぇ「僕は歓迎するよ。美樹さやか。君の願いは……何なんだい?」

さやか「――杏子を、助けて」
143 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月18日 (土) 01:22:13 ID: /KO5fz.g
マミ「……で?契約しないって言ったはずよね、美樹さん」

ほむら「全くだわ。私もマミも杏子まで忠告したのに全部無視したのね。魔女になるわよ」

さやか「そのネタはもういいよ!」

  ワルプルギスの夜まであと一日。
  人気の無い夜、魔法少女達は明日の動きのシミュレーションをしていた。

マミ「まあ契約してしまったのは仕方ないし、人のために契約するのが悪だとまでは言わないわ」

マミ「でも、もう少し後先を考えてほしかったと言うか……」

ほむら「貴方が魔法少女姿で杏子を背負って『息してない杏子が降って来た!』って言って来た時は本当に驚いたわ」

マミ「それで私達のグリーフシードを見たら、杏子のグリーフシードがソウルジェムになっていたのよね」

ほむら「杏子に事情は説明しないといけないわ、いきなり二人増えたから作戦変更しないといけないわで」

ほむら「本当、貴方の軽はずみな契約で多大な迷惑を被ったわ」

さやか「うう……は、反省してる。でも後悔はしてないから」

杏子「アタシ、別に生き返りたくなんてなかったんだけど」

さやか「うわー!」
144 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月18日 (土) 01:23:00 ID: /KO5fz.g
ほむら「美樹さやか、余計な仕事を増やさないで」

さやか「だ、大丈夫よ!それにあたし、杏子のために契約したんじゃないから」

杏子「は?アタシのこと、生き返らせてくれたのにか?」

さやか「『変えられない運命を歪めるより、受け入れて乗り越えた方がいい』」

さやか「確かにあたしはその言葉に救われたけど、よく考えたら違うような気もするんだよね」

さやか「何と言うか……運命は変えられるって、思いたかった」

さやか「魔法少女が出てくる、希望に溢れた愛と勇気が勝つストーリーみたいなのを信じたくなったっていうか?」

さやか「とにかく契約したのは、自分のためなんだ」

杏子「ふーん、よく分からないけど……まあ今は感謝しておくよ」

さやか「それとあたし、あんたにずっと言いたかったことがあるの」

さやか「あの時、影の魔女からあたしを……助けてくれて、ありがとう」
145 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2014年01月18日 (土) 01:26:42 ID: /KO5fz.g
杏子「はぁ!?アンタ、たったそれだけのことが言いたいがために魔法少女になったのか?バカだろ」

さやか「な、何よ!一応命を助けられたわけだし、お礼を言えなかったのがすごく心残りだったの」

さやか「まあ、魔法少女が魔女になるって仕組みに納得行かなかったっていうのもあるけどさ」

杏子「バカじゃねーの……家族ならともかく、縁もゆかりもない魔法少女のために契約なんて」

マミ「はいはい、ケンカはおしまい!」

ほむら「もう一度シミュレーションをするわよ。今度はB地点の場合」

マミ「頑張らないとね、私達。愛と勇気が勝つストーリーを実現させるために」


まどか(みんな……今頃、ワルプルギスの夜を倒す相談とかしてるんだろうな……)

まどか(わたし……このまま、見てるだけなのかな……)

  まどかは外を見た。怪しい風が吹いている。
  ワルプルギスの夜は、確実に迫っていた。


記事タイトル:

③まどか「まど」アラジン「マギ!」/クロスオーバーSS「魔法少女まどか☆マギカ」×「マギ」

関連ワード :

アラジン

マギシリーズ

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