【あにぶレポ】『機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM』 in 大阪【その3】

ガンダムを彩る美術たち
次のコーナーでは、タツノコプロ作品や『風の谷のナウシカ』などで美術監督を務め、『ガンダム』でも美術監督として世界観を統括した、中村光毅さんによる美術の数々が展示されていた。
どれも繊細で美しい美術ばかりだったが、特にスペースコロニーなどの「SFらしさ」を支える部分に関しては力が入っていて、コロニーの立体模型なども展示されていた。
美術というのは、普段アニメを見ている時はスルーしがちな部分だが、その緻密な展示の数々からは、美術というものの重要性の高さというのがハッキリと感じられた。
普段そういった部分を意識しない人でも、是非とも今回の展示で、その凄さを目に焼きつけて欲しい。
天才・安彦良和の描くガンダム
次のコーナーには『ガンダム』のキャラクターデザインを担当し、原画家としても多くの回に参加したアニメーター・安彦良和さんの原画が多数展示されていた。
アニメーターとしての評価の高い氏の原画だけに、今見てもその魅力はまったく色褪せない。むしろ、情感や気迫、躍動感の溢れる原画の数々には、ただただ圧倒されるばかりだ。
氏はTVシリーズ途中で病気によりあえなくリタイアしてしまうが、TVシリーズを再構成した劇場版『ガンダム』のころに復帰し、目覚しい活躍をされる。
『ガンダム展』では氏が劇場版『ガンダム』で描いた作品も多く展示されていたが、そのどれもが、途中でリタイアしてしまった鬱憤を晴らすかのような、なんとも力強いタッチで描かれていた。
これらの原画の数々は、間違いなく『ガンダム展の』大きな見どころのひとつと言えるだろう。
『ガンダム』の花形・メカの数々
『ガンダム』を語る上で欠かせないのが、個性あふれるロボット『モビルスーツ(MS)』の存在。
それら『ガンダム』のメカデザインを担当した大河原邦男さんらによる設定画も、今回は数多く展示されていた。
ガンダムやザクなどの最初期の設定画をはじめ、連邦・ジオン双方のMSや戦艦、細かな兵器に至るまで、かなりの数の設定画が展示されてある。
一話や二話程度しか出番のないようなマイナーなメカまでもしっかり展示されてあり、ディープなファンにとっても見ごたえある点数になっているはずだ。
また、各MSの登場シーンをダイナミックに再現したジオラマも展示されており、より深くMSの素晴らしさを感じ取ることができるようになっている。
●次回「レポートその4」に続く……
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