100歳を越えてもなお健在!「真・中華一番!」面点王ラコンの魅力
「中華一番!」の続編にあたる「真・中華一番!」で裏料理界との上海での宴席料理決戦で登場するラコン。
「面点王」の異名をとり、「ヒョヒョヒョ」という不気味な笑い声が特徴的です。
三国時代に蜀の諸葛孔明に仕えた料理人を祖とする面点一族「白羅家」の最後の一人で、50年前「面点王」と呼ばれたラコンを最後に白羅家の血は絶えたと思われていましたが、100歳を越えると思われる年になっても健在。
裏料理界にはラコンですら知らなかった点心の奥義が伝えられていて、それを修得するためにラコンは裏料理界へ入ります。
高なり乱れる心身の波動を安らかに平らげる「鎮魂」をモットーとし、シェルの前に立ちふさがります。
課題となった「饅頭」のテーマに対して、ラコンは宝船型のセイロに乗った「四神海鮮八宝饅」を、シェルは金龍の細工から引きはがすと饅頭から笑い声のような声が聞こえる細工をした「黄金開口笑(笑う黄金饅頭)」を作り上げます。
その互角の戦いに上海の組合長たちは悩みに悩みぬいたすえどちらのレンゲもあげず、判定人となったサンチェに「なんでも突き通す矛」と「何も突き通せない盾」の話をし、「無敵の矛」と「無敵の盾」に優劣をつけられない「矛盾」こそこの勝負の判定そのものだとして勝負は引き分けとなります。
最後にはシェルとラコンはお互いのまんじゅうを食べあいながらお互いのまんじゅうにダメだししあったあと笑いだし、お互いを認め合います。
シェルの作ったまんじゅうの独創性に新たな才能が中国全土に芽生え始めてるのではないか、と悟ったラコンは自分が使っていた杖をシェルに渡して再戦を誓い、中国全土へ味修行に出ようとします。
しかし裏料理界からの脱走は許されるものではなく、ラコンの逃亡をシャンは力づくで止めようと図りますがラコンは煙のようにどこかへ消えてしまいました。
彼にとっては裏料理界の料理で中国全土を支配する、という思想そのものにはあまり興味はなく、ただ純粋に自分の知らない料理を知り、極めたいという純粋な気持ちしかなかったのでしょう。
ひょうひょうとして得体がしれないが100歳を越えても味の探求になお余念がない大変魅力的でカッコいいじじいがラコンなのです。
文:takabun