クールでマザコン!?白鳥星座「キグナス氷河」の魅力とは?『聖闘士星矢』

2016年に30周年を迎える『聖闘士星矢シリーズ』。女神アテナに仕える「聖衣(クロス)」とよばれる鎧をまとった少年達「聖闘士(セイント)」のバトルを描いた作品です。黄金聖闘士(ゴールドセイント)、白銀聖闘士(シルバーセイント)、青銅聖闘士(ブロンズセイント)という階級があり、物語の中心となるのは、最下級の青銅聖闘士の少年たちです。その青銅聖闘士の中でもっともクールと言われる白鳥星座の「氷河」。今回は、そんなクールに徹しながらも熱い心を持った「氷河」の魅力についてご紹介いたします。
母思いの男
一部のファンからは、“マザコン”と呼ばれ愛されています。これは、氷河の母親に対する行動を指したもの。氷河は日本人の父とロシア人の母の間に生まれたハーフです。金髪と碧眼を持つ美少年ですが、実は沈没船に眠るマーマ(母親)に会いに行くのが日課であったり、戦いの最中でも事ある毎に「マーマ」と叫ぶなど、少しマザコン気質が垣間見えるような行動も・・・。ただ、それだけ強く母親を想える事は素敵だと思います。実は、氷河が聖闘士になるために修行に行った場所には氷河の母親が眠っており、母親に会いに行くために来たと言っても過言ではないでしょう。
熱い!?クール!?
氷河が常にクールに徹するのは師匠からの教え。物語の途中で、その師匠と戦う場面があります。初戦こそ負けてしまいますが、二回目は師匠と同じ技をぶつけ合い相打ちに待ちこみます。仲間たちを思う気持ち、母親への気持ち、様々な想いを抱えて師匠を超える氷河の姿はとても熱いです。また、死んでいたと思っていた兄弟子が生きていたと知ると氷河は涙を流し喜びます。氷河の冷気を使った技と心の熱さの対比も、非常に魅力的です。
氷河にはアイザックという兄弟子がおり、アイザックは氷河を助けた際に自分の片目を失ってしまいます。アイザックと再会した際、彼は氷河の敵として立ちふさがりました。一度は動揺し、かつて自分のせいで片目を失ったアイザックに、同じように自分の片目を潰させます。もちろん昔のように仲良くしたいという気持ちはあるものの、地上のために、仲間のために、己の私情を抑えクールに徹し、アイザックを倒すのです。そんなクールな一面と熱い一面、そのギャップこそが「キグナス氷河」の一番の魅力なのだと思います。
(C)車田正美/集英社・東映アニメーション