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『虐殺器官』(ぎゃくさつきかん、Genocidal Organ)は、日本の長編SF小説。伊藤計劃のデビュー作品である。2006年、第7回小松左京賞最終候補。2007年発表。「ベストSF2007」国内篇第1位。「ゼロ年代SFベスト」国内篇第1位。2010年にハヤカワ文庫から文庫版が刊行された。 フジテレビ「ノイタミナムービー」第2弾「Project Itoh」の一環として『ハーモニー』と共に劇場版アニメ化されることが発表されている[1]。また、月刊ニュータイプにてコミカライズが連載されている[2]。 2016年にはアメリカで実写映画化されることが報じられた[3]。 サラエボで発生した核爆弾テロによって世界中で戦争・テロが激化した結果、アメリカを始めとする先進諸国は厳格な個人情報管理体制を構築しテロの脅威に対抗していた。十数年後、先進諸国からテロの脅威が除かれた一方、後進国では内戦と民族対立により虐殺が横行するようになっていた。事態を重く見たアメリカは新たに情報軍を創設し、各国の情報収集と戦争犯罪人の暗殺を行うようになった。 アメリカ情報軍に所属するクラヴィス・シェパード大尉は、後進国で虐殺を扇動しているとされるアメリカ人ジョン・ポールの暗殺を命令され、相棒のウィリアムズら特殊検索群i分遣隊と共にジョン・ポールの目撃情報のあるチェコ・プラハに潜入する。プラハに潜入したクラヴィスは、ジョン・ポールと交際関係にあったルツィア・シュクロウプの監視を行うが、次第に彼女に好意を抱くようになる。ある日、クラヴィスはルツィアにクラブに誘われ、そこで政府の情報管理から外れた生活を送るルーシャスたちと出会った。その帰路で、クラヴィスはジョン・ポールに協力するルーシャスら「計数されざる者」に襲撃され拘束されてしまう。拘束されたクラヴィスはジョン・ポールと対面し、彼から「人間には虐殺を司る器官が存在し、器官を活性化させる“虐殺文法”が存在する」と聞かされる。ルツィアを監視していたことを暴露されたクラヴィスは、ルーシャスに殺されそうになるが、ウィリアムズら特殊検索群i分遣隊の奇襲によって救出されるも、ジョン・ポールとルツィアは行方不明になってしまう。 プラハでの遭遇後、核戦争で荒廃したインドで虐殺を行っている武装勢力「ヒンドゥー・インディア共和国暫定陸軍」にジョン・ポールが関わっていることを知ったアメリカ情報軍は再びクラヴィスらに出撃を命令するが、「虐殺文法」の話をクラヴィスから聞かされたロックウェル大佐は、ジョン・ポールを生かしたままアメリカに連行するように命令した。「ヒンドゥー・インディア共和国暫定陸軍」の本拠地に潜入したクラヴィスらはジョン・ポールの拘束に成功しアメリカに連行しようとするが、ジョン・ポールに情報を漏らしていた上院院内総務の派遣した部隊に護送列車を襲撃され、リーランドら多くの隊員を喪った挙句、再びジョン・ポールに逃げられてしまう。 情報軍との取引により院内総務が政界を引退した後、アフリカの「ヴィクトリア湖沿岸産業者連盟」政府にジョン・ポールが招待されたという情報を得たアメリカ情報軍は、クラヴィスらにジョン・ポール暗殺指令を出し、クラヴィスはルツィアに会うため「ヴィクトリア湖沿岸産業者連盟」領内に潜入する。「ヴィクトリア湖沿岸産業者連盟」軍の攻撃を受けた特殊検索群i分遣隊は散り散りになり、クラヴィスは単身ジョン・ポールの住む邸宅に向かい、彼と再会する。そこでジョン・ポールは、クラヴィスに「個人情報管理はテロ撲滅に何の意味も成さなかった」と語り、「アメリカを守るために後進国で“虐殺文法”を活用して内戦を引き起こし、アメリカに憎悪が向かないようにしていた」と真意を伝えた。ジョン・ポールの真意を聞いたルツィアは「アメリカの法廷で“虐殺文法”のことを公開し、犠牲者の生命を全ての人々が背負うべき」と訴え、ジョン・ポールは投降を決意する。しかし、そこにウィリアムズが現れてルツィアを射殺し、「個人情報管理によって得た“平和”を失うべきではない」としてジョン・ポールの暗殺を強行しようとする。クラヴィスはウィリアムズを爆殺してジョン・ポールと共に邸宅を脱出し、合流地点のタンザニア国境に到着するが、直後にジョン・ポールは射殺され、作戦は終了する。 3カ月後、何者かによって情報軍の行った暗殺作戦がリークされ、クラヴィスや情報軍関係者は公聴会に召喚される。公聴会の場で、クラヴィスはジョン・ポールに渡された「虐殺文法」を使用し、アメリカ人の「虐殺器官」を活性化させ、アメリカ全土で内戦を引き起こす。
(出典:wikipedia)